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Kenko TA-1250 これは昭和40年代の長焦点屈折です。
口径76.2mm FL=1250mm(F16.4)という典型的な長焦点屈折です。
当時、60mmの上は76mm、または77mmという3インチタイプが一般的でケンコー、アストロ、エイコーなどからそれぞれ似たような望遠鏡が提供されていました。タカハシやアストロには50mmの屈折もありましたから、望遠鏡もインチサイズが主流だったように思います。これらの赤道儀では、入門機のような黒いチリメン塗装ではなく艶あり塗装が施されておりそれだけでちょっとリッチな雰囲気を醸し出しておりました。
勿論、立派な木箱に入っており鏡筒と三脚が同時に収納できて持つとずっしりとした重みがあります。

もう一つの鏡筒はそれより大分後から発売されたケプラーKT-8500というものですが、品物は殆どTA-1250と同じで、赤道儀周りの目盛環などが違っているだけです。恐らくKenkoのOEM品と思われます。
どちらの鏡筒も流石に色収差を感じさせず今でも素晴らしくシャープな像を結んでくれます。

この頃の製品を見ると不思議と架台部などはメーカーが異なっても殆ど同じものが存在します。
恐らく、この業界には様々な部品の下請け分業ネットワークが形成されており相互に交流していたのではないかと思われます。なんとなく今の中国の望遠鏡業界も同じような環境になっているように思います。